不可解で不自然なセッション 安心できるヒプノセラピー2
ヒプノセラピーのセッションに初めてお越しになる方は、
当然のことながら、ヒプノセラピーのことをあまりご存じありません。
そこでセッションが始まってから不思議に感じることがあったとしても、
「ヒプノセラピーとはこういうものなのか…」と受け入れて、
少し変かも…と感じつつも、やり過ごしてしまうことになるかもしれません。
ヒプノセラピーのセッションが、不快な体験であったならば、
おそらく二度目はないということになり、
むしろそれ以上問題が大きくなることはないでしょう。
しかしながら実害が無かった場合でも、
ヒプノセラピーを誰かにお勧めしたりすることはなくなり、
嫌なイメージだけが残ってしまうでしょう。
ヒプノセラピストとしては、不快な体験をされたことと、
ヒプノセラピーに否定的な印象を持たれたことを、
たいへん残念に思います。
さて、不思議に思った、あるいは不快に感じた…と言っても、
その内容は多岐に渡ると思います。
その中には、かなり逸脱したふるまいが在ることも
残念ながら否定は出来ないようです。
というのは、セッションルームでお会いした方々から、
そのような体験談をお聞きする機会が、
これまでに何度かあったためです。
極端な例を挙げてみますと、たとえば…
2. セッションルームに着いたら、
ヒプノセラピストさんから、
用意されていた服に着替えるように
(あるいは来ている服を脱ぐように)と言われた…
このようなことは、普通は在り得ないことです。
催眠状態に入っていく際は、心身がリラックスすることが必要となりますので、
その方にとって、快適な環境が求められます。
初めて訪ねたセッションルームで、初対面のヒプノセラピストから、
着替えてと言われて、「何のために…?」と思わない方はないでしょう。
ふだん気慣れている自分の服のほうがリラックスしやすいのは、
当然のことです。
お悩みや問題を改善したいあまり、
気が進まないにもかかわらず、言われるままに従ってしまったり、
断り切れなかったりすることもあるようです。
3. ヒプノセラピーの催眠誘導の際、
まるで暗室のように室内が真っ暗になって驚き、不安を感じた…
セッションルームの明るさは、
リラックスするためには重要な要素となりますが、
暗くすれば催眠に入りやすいとは一概に言えません。
どのような環境がくつろぎや安心感をもたらすかは、
その方によって違うものです。
もしも不安を覚えたのであれば、
もう少し明るくして欲しいと伝えましょう。
クライアントの方が心地よいと感じられることが
いちばん大切なことであり、重視されるべきことになります。
ヒプノセラピーは、さまざまなバックグラウンドを持つ
ヒプノセラピストが行っています。
その層の幅の広さは、相当なものだと思います。
医学の領域の方々(ドクターやナース、技師さんなど)、
心理カウンセラーさんがあり、
また占い師さん、ディープなスピリチュアル系の方、
透視リーダー、チャネラー、シャーマン、
エネルギーワーカーの方などがあり、
それらの背景には、独特の理論や哲学、信念があり、
その方のお考えによっては、超自然的な要素や霊能力などを、
セッションの中で使われていることもあるかもしれません。
そうした要素を求めて行かれるのであれば、問題はありませんが、
行ってみたらそうだった、驚いてしまった…というのは困ります。
儀式、おまじないのようなことや、
呪文、怪しい雰囲気の音楽・音響、独特なハーブ、小道具などは、
もしかするとそのヒプノセラピストさんには
欠かせないものなのかもしれませんが、
クライアントの方が不可解に感じたり違和感を持ったりしたら
かえって有害に作用してしまうでしょう。
常識や良識に照らして、不自然に感じられようならば、
我慢をしないで、受け入れられないと上手に伝えるか
避けるかされるとよいでしょう。
4. 催眠誘導の際、体に触れられた…
こんなことは言語道断…と切って捨てたいところなのですが、
実はある種の催眠誘導には、体の特定の部位に触れながら
催眠状態に導く方法が存在しているのをご存じでしょうか?
短時間で催眠に誘導する瞬間催眠誘導などで使われるようです。
その独特の手法を真面目に使っているのか、
別の目的のために利用しているのか、
そのあたりを見極めるのは難しく、悩ましいところです。
これは重要なことですが、
さまざまな手法を取り入れたヒプノセラピーがあるとはいえ、
その基本的な部分は、言葉による誘導のみで
セラピーのプロセスが進んでいくことです。
体に触れることや、言葉以外のもの(道具)などを使用することは
オーソドックスな方法ではありません。
ヒプノセラピーと一口に言っても、どのような系統のもので、
どんな先生から学ばれたヒプノセラピストさんなのかをよく見て、
ヒプノセラピーに対してどのような考えをお持ちなのかを知り、
ご自分に合ったセッションを選択なさるとよいでしょう。
5. 宗教の勧誘をされた…
これは先日、実際にお聞きしたことなのですが、
お悩みのある方の弱みに付け込む許し難いふるまいです。
ヒプノセラピーは心理療法であり、宗教とは関係がありません。
実は、前世療法には、古来宗教と結び付いて発展した
伝統ある手法が存在することが知られていますが、
正統的な継承者の方々は、
セッションと勧誘をセットで行うことはないのでは…。
上記とは別に、宗教ではありませんが、
何か特別な教えを伝え広めるる指導者のような立場の方が、
最初から、その方を慕う門下生やお弟子さんたちを対象として、
レクチャーやセミナー、ワークショップの一環として
ヒプノセラピーのセッションをされているところがあるようです。
この場合も、その教えそのものに共鳴、共感できるのならば、
おそらく素晴らしい体験となるのかもしれません。
ヒプノセラピストがクライアントの方と信頼関係を築くのに
安心感と安全は欠かせないものですが、
それだけではなく、催眠状態に入るための必要条件としても、
安心感とくつろぎが求められるのがヒプノセラピーです。
安心できるヒプノセラピーのセッションでは、
その方にとっての未知の領域である潜在意識に
ストレスや緊張なくアクセスしていくことが出来るでしょう。
心の深層を掘り下げ、実りある探求を果たし、
癒しと解放が最大限もたらされるように、
少しでも不安なことがあったら、遠慮なく問い合わせましょう。
セッションを始める前までに十分に納得ができるように、
小さなことであっても質問を投げかけることをお勧め致します。
もしも気になることや不可解と思われることがありましたら、
どうぞお気軽にご相談下さい。
前半の「安心できるヒプノセラピー1」も
併せてご覧ください。