潜在意識からのイメージを受け取れない… 困難なヒプノセラピー
ヒプノセラピーの個人セッションに、
初めてお越しになる方から、
時々聞かれる言葉…
それは、「催眠に入って、
潜在意識からやって来るイメージを
受け取れるような気がしない…」というものです。
この言葉はヒプノセラピストにとっては、
非常に重い言葉です。
このように言われてしまうと、
「そんなことはありません、ご安心下さい」と
簡単には言えないような空気が漂っています。
この重い言葉の背景には、
心配、不安、悲観、
そしてあきらめの影が見え隠れしています。
残念ながら、いったんこうと思ってしまったら、
どれほど言葉を尽くしてご説明申し上げたとしても、
果たしてどこまで伝わるのだろうかと
こちらも少し悲観的になりそうです。
「催眠に入って…」という部分は、
催眠状態に対する世の中の固定的なイメージや情報、
その方のちょっとした誤解や思い込みなどをクリアにしていけば、
安心感を持たれ、少しお気持ちも変わるかと思うのですが、
問題は「イメージを受け取れるか?」というところです。
潜在意識から、どうやってイメージが来るのか、
どのようにしてそれを受け取るのか、ということは、
体験していらっしゃらない方にとっては、
まさに雲をつかむような不確かさに違いありません。
体験されていない方ばかりではありません。
実は、これと同じご感想を、
ヒプノセラピープロ養成スクールの
受講生の方からも聞くことがあると言ったら、
皆さまは、驚かれるでしょうか?
ヒプノセラピストを目指しておられる方でさえ、
こうした不穏な思いがよぎるのですから、
一般的に、ヒプノセラピーにご興味を持っている方であれば、
なおさらそう思われることでしょう。
実は、今はヒプノセラピストである私自身も、
かつて同じようなことを思った記憶が残っています。
20年近くも前のこと、
ヒプノセラピストを目指して学び始めた頃、
たしかヒプノセラピースクールの練習中だったと思いますが、
イメージを受け取るということのあまりの曖昧さに、
本当にこれで大丈夫…? と
懐疑的になったことがあります。
その方が、視覚タイプではない場合、
潜在意識からのイメージが
映像として現れることはほとんどありません。
何もないところから、
何となくこんな感じ‥? とイメージを受け取るのは、
暗闇の中を手探りで歩いていくような感覚。
おぼろげで、はかなく、
つかみどころかなく、大丈夫? と
思われても仕方がないでしょう。
そんな皆さまに、ぜひとも知っていただきたいのは、
この後に起こるであろう変化です。
ぼんやりと曖昧だったイメージが、
回を重ねるごとに、
だんだんはっきりとしたものに
自然に変わっていくのです。
何となくというところから、たぶん…となり、
やがては、きっとそうだと自信を持って
言えるようになっていくでしょう。
何人もの方々が、そうしたプロセスを経て、
スムーズに楽々と、イメージを受け取られるようになり、
イメージ世界を楽しむゆとりさえ
持たれるようになっています。
要は、慣れることがポイントであり、
イメージを受ける要領をつかむのに、
少し時間がかかる場合もあるということです。
初回セッションの120分間の間にも、
曖昧さから上手に要領をつかんで
楽に受け取られる変化が起こるのを
ヒプノセラピストとして、しばしば目にしています。
1セッション最初の20分と、終盤の20分では、
イメージの感触も、セラピーの推進力も
変わります。
初回セッションで、
苦労しながらイメージを受け取り、
そのわりに思っていたよりも曖昧で
イメージなのか違うのかよくわからないと感じられても、
だからヒプノセラピーは合わないと
結論付けることはありません。
慣れていくことで、自信もついて、
イメージは、よりはっきりしていくものです。
潜在意識が現わすイメージの癒しは、
そもそもその方に具わる自己治癒力そのものです。
イメージは、心の深層からいつでも現れ、
気付かれ受け取られるのを待っていることを
信頼してみましょう。