心の中に住みついている内なる親 インナーペアレント
子どもの頃を振り返ると、
嫌な記憶ばかり…ということはありませんか?
遊んでもらえなかった…
自由にさせてもらえなかった…
兄弟と比べられて嫌だった…
大人となった今、親の苦労がわかるようになると、
親としての気持ちも少しずつ理解できるように
なるかもしれません。
嫌なことばかりではなかった、
良くしてもらったこともたくさんあった…と
考えてみるかもしれません。
親には親なりの事情もあったのだろう、
忙しかったから仕方がない、
ストレスや疲労がたまって辛かったのだろう、
そう納得して、今さら面と向かって文句を言ったり、
怒りや不満を態度で表したりはしないかもしれません。
親との関係を癒そうとする時、
傷ついたインナーチャイルドを癒すことは、
もちろん役立ちます。
インナーチャイルドが癒されると、
自己受容、健全な自己愛、自尊心などが戻り、
現在のその方に変容が起こります。
では親にまつわるさまざまな感情、
やりきれない気持ち、怒り、恨み、くやしさなどは
どうしたらよいのでしょうか?
これらも解放と癒しを待っているはずです。
しっかりと向かい合い、認め、
手放していく必要があります。
インナーペアレントのセッションでは、
親に対して本当は言いたかったけれど言えなかったことを言い、
依存や支配、コントロールからの解放を目指します。
現実の両親は、ひとりの人間として、
長所も短所もある存在です。
心に住みついているインナーペアレントは、
親そのものというよりは、
親という存在のうちの否定的なパート(部分)や
問題のある要素と考えていただくとわかりやすいでしょう。
現実の親に対しては、
言う気持ちになれなかったり、言うことができなかったりしても、
イメージの中では勇気をもって親と向かい合い、抗議をしたり、
率直な気持ちや要求を伝えたりすることができます。
そして、どれほど辛い思いをしたのか、
苦しみを抱え、我慢し続けてきたかを
十分に感じて、手放していくことができます。
そのうえで、親と決別をします。
親子の縁を切るということではなく、
心の中から親の否定的な影響を取り払い、
二度と受けないようにするのです。
こうすることで大人同士、人間同士として
対等なよりよい関係を構築することが
できるようになっていきます。
親からの影響を脱した後は
自分で自分を再教育し、育て直してあげましょう。
大人となったその方は、
何が必要であり、何をして欲しくないのか、
不足していた要素や歪んでいた部分に気付くことができます。
現在の親に対して、それを要求しても、
今さらどうしようもないことです。
その怒りや不満、寂しさ、悲しみ、苦しみを解放し、
今度は自分で自分を、手厚く、心を込めて、
本当はこうして欲しかったように育て直していくことができます。