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生きるという決断から癒しが始まる

2016年05月11日

新緑が美しい季節、
薔薇の花をはじめ、色とりどりの花たちが、
あちらこちらで咲き匂い、楽しませてくれていますが、
心のコンディションはいかがでしょうか?

5月は少し不安定になりやすい時、
あまり無理をしないように心がけ、
ストレスを上手に解消していかれたらよいですね。

私は、クライアントの方のお話をお聴きしている時や、
メールを読ませていただいている時などに、
時々、一本の線が見えることがあります。

私のイメージでは、白い直線です。

昭和の時代に校庭によく引かれていた、
あの消えやすい線とは異なり、
こちらの白い線は、厳然として、揺るぎないものです。

多くの方々が、この白線の真上で、
どちら側にも降りられずに、ゆらゆらと揺れています。

白線自体に強制力や圧力などはありませんので、
どちら側にいるのも自由な私たち。

でも、どちらにもいかれないのです。

この線のこちら側は、生きる者の日常の世界。

白線をひとたび越えてしまったら、
もうこちら側に戻ってくることは出来ません。

深刻なお悩みや問題がある方には、
そうでない方々よりも、この線がはっきりと見えます。

普通に考えてみると、誰でも、辛い人生や苦しい人生は
嫌なものに決まっています。

だから、悩みが深い現状では、向こう側も視野に入り、
時にはそちらの方により心惹かれてしまうのです。

隣の芝生は青いと言われますが、
本当はどんな世界なのかわからないとしても、
こちら側に比べたら、幾分ましかも‥と感じられるでしょう。

白線上でグラグラと揺れている状態で、
セッションルームにお越しくださる場合があります。

そんな時は、お目にかかれて本当に良かったと思います。

けれども、セッションルームに行くか否かについても、
揺れながら迷いつづけて、
いつまでも足が向かないこともあるのです。

今、苦境に立たされておられる方に対して、
私がお勧めしたいのは、
とにかく無条件に、白線のこちら側に留まると、
いったん決意することです。

なぜならば、「生」の方向に意思を持つと持たないのとでは、
途方もなく大きな違いが生まれるからです。

今は、白線の向こう側のほうが魅惑的に映るかもしれませんが、
それは幻想だと思ってみましょう。

同じように、白線のこちら側は、真っ暗で冷たくて
息苦しい場所というのも、幻想です。

冷静に考えてみるならば、
幻想でないと確かに言えるのは、
「現時点では何とも言えない」ということだけです。

人生の道のその先に何が待っているのかは、
ゴールまでたどりついてみないとわからないからです。

生まれてきたからには、
全ての方は、生きていくためのリソースを既にお持ちですし、
生き抜いて果たすべき何かを必ずお持ちです。

その何かは、生きてみないことにはわかりません。

今、白線を越えてしまったら、一切がリセットされて、
最初からやり直しとなる…
そう考える方もありますが、いかがでしょうか?

これはたいへん重要なことですが、
癒しと解放、そしてポジティブな変容は、
生きると決めた瞬間から始まります。

それは、その方の自己治癒力と、潜在意識下の叡智とが
動き始める精妙なポイントです。

体調が良くなるならば、あるいはこの悩みが解決するのならば、
白線のこちら側でも生きていかれそうだ、生きていこう…と思うのは、
やめましょう。

それでは順序が逆なのです。

生きていくと決意するからこそ、体調が良くなる可能性がひらかれ、
悩みから解放される道筋がひらかれていくのです。

理由や理屈は不要です。

生まれてきたからには、とりあえず生きてみる…
…というのでも十分です。

足元に白線が見えるのならば、今すぐ、
とにかくこちら側に降りてきて下さい。

そこから始動する生命エネルギーの微かなうねりを
心身の内側に感じてみましょう。

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